2016年8月16日火曜日

神山 健治『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』


 今だからこそ分かることだが、この当時のアニメの作画とかの荒さは、余計に感じるようになった。当時も若干の違和感があったが3Dすげーとかで誤魔化されていた。時代を経てその誤魔化しであった3Dも非常に陳腐になっている。まぁこれに関しては致し方がないし、作品を下げるものではないだろうと思う。他の作品で言えばとくに映画の『Titanic(タイタニック)』とかみるとひどいと思った。時をかける僕…

  当時、僕が期待して、この二期をみたときは、若干がっかりした。いやだいぶひどいと思った。あの当時の僕には、笑い男のような衝撃がほしかったし(中二病の糞餓鬼)、それの代わりとして出て来た合田はあまりにも魅力がなかった(現に僕は、かずんどの読み方のくだりを忘れていたし、思い出してもかずんとだと思っていた)。クゼに対しても同様。二回目に見直したときはまぁまぁだなって感じだったが、だいぶ前に一期をみなおしたときは、この二期を観ようとは思わなかった。それぐらい一期は素晴らしかった。若く青い、大人で汚いと対比なんだろうけど微妙やね。いやそもそもカリスマがないから僕も合田に感じないって事か。メインのエピソードに関してはこんな感じではあるが、サブのキャラにスポットライトが当たった話は別に一期と同じで悪くない。

 だけど僕は今回、たまたま田舎に帰ってやることがなかったのでみなおしてみることにした。正直寒気がした。あの当時、難民の問題(ベトナム戦争時の問題とか題材になりそうなものはある)とか世界とは殆ど関係がない代物だったからだ。ところがシリアの難民の問題やイスラム国を代表としたスタンドアローンのテロが現実に形となって現れてきた。とはいえ、日本は難民や移民をあまり受け入れてこなかったので、ヨーロッパの現実がこの作品とかなりだぶる。まるで予言の書のようだ。僕みたいな頭の悪い人間は鈍感すぎたので、かなり気づくのに遅れた。実際にSFの作品のものが現実にでてくると感動するが同時にこれに関しては恐怖も感じる。ただし、クゼのチェ・ゲバラの様な理想主義者と対比される南米でよくある反米思想のCIAエージェントの様な合田(実際に、最後はそちら側へ)と実際にCIAエージェントに暗殺されるクゼは、前時代的な反米史観ものにしかうつらない。米帝ねぇ、『V for Vendetta(Vフォー・ヴェンデッタ)』もそうだったがイギリスがファシズム?フランスやドイツやイタリアだろとか思ってしまう。どの国でもその要素を持つのは否定しないが、とは言えアメリカ分裂後の話だが、そういう設定もやはりかつての左翼や右翼の反米史観と下らない現実をみない願望だなぁと感じるよ。冷戦構造下での日本が合田の理想とするかつての日本の姿というのは、今の日本の現実とこれからくる未来をどうにかしようという神山の考えなんだろうか。思えば、ロシアは反米のプロパガンダをよく今でもやっているが、そう考えると今も大して変わってないな。まぁ今このタイミングで観てよかったと思う。だいぶ僕の中でこの作品の評価は上がった。神山健治は確かに光っている。

 どうでもいい話だけど、特に意識はしていなかったが、今思えば、僕の中で勝手に次の首都は九州になると何となく思っていたのは、この作品の影響だよね。

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難民問題、個別の11人

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正直タクシードライバーだと気づかなかった。初めて観たときは映画を観たことがなかったから分からなくて当然だけどw

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キャッツアイ、これも当時知らなかったからわからんかったわw
前期の仕事の後片付けやね。

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マトリックスのこれも当時(ry← 関係ないけどこの表現も使わなくなったなぁ…悲しい…

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クゼのジャンプ力がすごいぐらいかなぁ…

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うーん最後の女性…

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難民キャンプか。実際に現実の映像と比べてしまう世界になってしまったなと。
そしてある種の反難民の合田は先導して難民を殺させたのは、今の現状とかぶるね。
とはいえ逆に難民側の犯罪を報じないスウェーデンに代表されるリベラルなメディアとか対比させるとかつてのイカレタカトリックに対するプロテスタントって所か。
今みると合田からはフェイクニュースとレイシストのイデアを感じるね。
前から思うがメディアの意見なんていらないんだよ。ただ淡々と現実を事実を報道しろ。コメンテーターなんて必要ねぇよ。

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またまた合田がやらせていただきましたぁみたいな。

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大日本帝国万歳合田。

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トグサ裁判。
フィールドが変われば戦い方も変わると言うことは大切だ。

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悲しいけど優しい世界。千と千尋の神隠しみたいに。

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三島由紀夫の影響大きすぎるな。

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パズ話。
相手が振り向かないから、相手になる。相手になれば、相手は必要ない。なんだこりゃ…

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サイトーのこの話好き。
プライベートライアンやね。これも当時(ry

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タチコマ製作秘話。

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なんだろうかこの真実と事実の違いみたいな。メディアの問題でもある。

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ためしてみろよ。

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マスターキートンでありそうな話やね。まぁまぁ好き。

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矢野死亡。え?誰?

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これとか完全に現在の問題なんだよなぁ…すごいとしか言いようがない…

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これは更に未来にあり得る話やな。

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かくいう私も童貞でね、AA。童貞ってヒトラーか。潔癖、純粋な悪。

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これも完全に現在の問題。

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イカレタ左翼と右翼の殺し合い、カトリックとプロテスタント、右翼と左翼。

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アメリカとイギリスの歴史をみた僕からすれば、極端な過激派両方を殺すなり排除するなりして、バランスをとる。そういう意味で、合田とクゼは死ぬべきなんだよね。

 神山のキリスト教的なものに対する理解がこの作品の未来予知(ヨーロッパの現実としての今)をつくりだすことになったのだと思う。クゼが林檎(知恵の実)をかじることで、楽園(エデン)から追放された。ここで一線を越えたわけですよね。
人間がネットに統合される。ある種の理想主義ってのは、その本人を殺すんですよね。
理想主義の例として、平和のない世界は理想だけど、人間がいないってのが平和とも言える訳で、平和のために人類を抹殺するということは、自分も含まれるという感じですかね。クゼの対比の合田は、自分の能力を証明したいっていうある種の個人主義の権化。だから自分しかないから、別に日本だろうが米帝だろうがどうでもいい。合田しかない。逆に言えば合田すらない。
バトーと十字架は分からないが、素子にとっての心を許せる誰か。罪を背負ってでも素子をっていうことだろうか。
長崎と出島とか、長崎ってだけで隠れキリシタンとかすぐ思い浮かぶが。出島ってのは確かにその頃の鎖国した日本での窓口という意味で、難民居住区としてはおもしろい。

能と表情がでないクゼは仮面。

 

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