2014年2月19日水曜日

鳩山一郎と田中舎身(大野伴睦回想録)


 田中舎身(田中弘之) 文久2年12月3日 - 昭和9年9月2日(1863年 - 1934年)
 と大野伴睦、鳩山一郎のお話。

 深窓育ち鳩山に対して、会ってもいないのに、ブツクサ文句を言う田中舎身。俺をたてろということか。食わず嫌い状態の田中であったが…

大野 伴睦 大野伴睦回想録 (1962年)[古書] 弘文堂 (1962) p.87
 鳩山邸の近くに田中舎身という支那浪人がいた。自ら有髪の僧と称し頭山満氏と兄弟分だった。私の郷里の先輩でもあるので、出入りしたが彼は大の鳩山嫌い。
頭山満と兄弟分で支那浪人(大陸浪人)で大野と同郷(岐阜県)。
田中舎身は鳩山に一度も会わず、大野に鳩山が会いに来るべきだと言い、大野は鳩山に田中に会いに行くように言う。会えば、打ち解け馴れ合いというよくみるパターン。

大野 伴睦 大野伴睦回想録 (1962年)[古書] 弘文堂 (1962) pp.88-89
 数日後、鳩山邸にいくと玄関に老酒の瓶が二本おいてある。張作霖が贈ってくれたとかで、一杯飲んでみるとすばらしくうまい。
 「僕は飲まないから弟の秀夫に一本やったが、あと一本はどうしよう」
 「田中舎身にやりなさい。きっとよろこびます」
あの爆殺された張作霖。鳩山と大野の会話。この後、大野が酒を田中にもっていく。

大野 伴睦 大野伴睦回想録 (1962年)[古書] 弘文堂 (1962) p.89
朝から支那浪人が集って天下国家を論じながら酒を飲む田中のことだから、大変なよろこびようである。
こうみるとただの酔っ払いだなと思う。昔の人の感覚とかみていると今の人でも同じようなところがある。所詮人間だなと。酒を飲めば全て解決、めでたしめでたし。

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