2014年2月22日土曜日

靖国参拝の余波


 靖国神社参拝の問題に関して言えば、中曽根政権のときの問題である。中曽根がパフォーマンスで靖国を参拝してその翌年、参拝をしないという中国に対して、口実を与えた事が問題となる。それ以降、中国は靖国参拝を問題にして、対日カードとして使えるようになり、韓国や北朝鮮もそれにのっかるというのが今の流れではある。その様な流れは別にして、安倍政権ではどのような流れで参拝になったかという事をみてみるとする。この国にいていつも思うが日本という国の内部で足を引っ張っているだけじゃないかなと一貫して国内問題である。

 首相側近の発言を産経新聞の記事で見てみる。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131020/stt13102010190001-n1.htm
「首相年内に靖国参拝」 側近の自民・萩生田氏

2013.10.20 10:18 [安倍首相]

 自民党の萩生田光一総裁特別補佐は20日、安倍晋三首相(党総裁)が就任1年となる12月末までに靖国神社を参拝するとの見方を示した。都内で記者団に「首相は繰り返し、靖国への思いは変わらないと発言している。1年間という時間軸の中で必ず参拝すると思う」と語った。

 同時に「一部の人は『任期中に行けばいい』と言うが、そうではなくて1年に1度(参拝すべき)だ」とした。根拠に関して「ずっと一緒にいて、そう信じている」と述べた。

 首相が中国や韓国に配慮して参拝を見送っているとの指摘には「配慮の上で参拝せずに首脳会談が実現すれば、参拝しないとの前提条件を付けた会談になる。それは首相の望むところではない」と反論した。

 萩生田氏は首相側近で、8月の終戦記念日には首相が私費で出した玉串料を靖国神社に納めた。
萩生田光一は、一年に一度だと設定してかなり、安倍に対してノルマのように逃げ道をなくそうとしている。問題として、靖国参拝というパフォーマンスが欲しい右翼に縛られる形になる。そういう支持層が一定数いて配慮となると行かざるを得ない状況になるわけではあるが、それに加え後押しをしたのが百田(ひゃくた)であると考えられる。百田は、ベストセラー作家で最近では『海賊と呼ばれた男』など歴史小説をだしている。ちなみに、『海賊と呼ばれた男』は出光佐三がモデルで鳩山一郎とかもでてくる。吉田茂と対立していた軸として鳩山一郎の流れを調べようと思っていたのでついつい買ってしまった。話がそれるがこの時代の話が割と好きなので、鳩山、大野伴睦、河野一郎を調べるのに増田俊也『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』もついでに買ってしまったのだった。今では北朝鮮の英雄でもあるプロレスのヒーロー力道山と最強の柔道家木村政彦を軸に、昭和の時代の暗部がみれる非常に取材に基づいた力作である。そういえば偶然だが力道山の日本名は百田という。 読みはひゃくたではなく、ももたである。話を元に戻して、朝日新聞の記事を見てみる。
http://www.asahi.com/articles/ASF0OSK201312260082.html
百田尚樹さん、参拝を歓迎 「国民の代表として当然」

2013年12月27日00時13分

 零戦パイロットの足跡をたどったベストセラー小説「永遠の0(ゼロ)」の著者で、27日付で安倍首相との対談本を出版する作家の百田尚樹さんは今夏、対談した安倍首相に対し、靖国神社に参拝するようお願いしたと打ち明ける。
百田さんによると、安倍首相は「第1次内閣で参拝できなかったのは痛恨の極み。その思いは今も変わっていない」と応じた上で、「国のために尊い命を捧げた英霊に尊崇の念を表明するのは当然」と参拝に前向きな姿勢を示したという。

 百田さんは26日の参拝について「ずっと参拝するべきだという思いを安倍さんは持っていた。英霊に手を合わせ、感謝の念を捧げるのは国民の代表として当然だ」と歓迎。「中国や韓国はこれを外交カードにしている。批判は内政干渉にあたる」と語った。
この様に重なり合い、自身の思想信条と重なる事により、安倍は靖国参拝をしたわけである。中国や韓国が外交カードにしている点は先に述べた。北朝鮮があまり反応しなかったのが今回は違和感があるなという程度である。

 問題となってくるのが、安倍政権としては対中国を想定して、外交に力を入れてきた。今までの政権にない外交をみせていたのだが、価値観の共有というものが外交にとっては重要な事ではある。ロシアとの外交において、プラスに働く部分があったのは事実であるが、別の国だとどうなるのだろうか。中国はフィリピンとも領土問題を抱えているし、国内ではチベット、ウイグルでの虐殺など今の国際的感覚で言えば、認められないような状況をもっている。ロシアも同様の国内事情を抱えている部分もあるが、プーチンは対中国という事で日本との関係を何とかしたいという考えがある。韓国は中国よりの動きを見せたり、アメリカも不信感をもっていた。さて一番大事なものは日米同盟であり、それに加えて明確な敵である中国や北朝鮮とふらふらしている韓国を除いて、別の国の支持をとりつけなければならない点である。その中で外交をしていく上で、先述の靖国参拝からイメージを膨らませて報道される可能性、はっきり言うなら失言を大きくする危険性をもっているのだ。その点を考えていたのかは、わからないが菅官房長官は実に冷静に物事をみていたと思う。産経新聞の記事を見てみる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140212-00000084-san-pol
菅長官、試練の時…橋下代表と自公の板挟み 迫る大阪市長選、関係再考も

産経新聞 2月12日(水)7時55分配信
  (略ry)
 昨年10月中旬。首相が靖国神社の秋の例大祭への参拝を検討した際、後押ししようとした首相周辺とは対照的に菅氏はこう言って強く反対したという。

 「総裁の任期の3年間で1回いけばいいんだ。今はその時期じゃない」

 菅氏は、平成28年夏の参院選が衆院選とのダブル選になると踏む。それまでは経済を前面に出す方が選挙に有利と考え、中国、韓国の反発を招く行動を避けるべきだとの判断だが、首相の思い入れとは明らかに温度差がある。

 政権2年目になり、党内には鮮明な「安倍カラー」の打ち出しを望む声も少なくない。逆に、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題をは じめ政権の重要課題に菅氏の存在は欠かせない。首相は、今国会閉幕直後にも内閣改造・自民党党役員人事を断行する可能性があり、菅氏の処遇は最大の目玉に なりそうだ。(山本雄史)
案の定、維新の会は勢力が弱まり、わけのわからない右翼も力を失ってきたところで靖国参拝したのは、失敗だった。参拝したところで効果が見込めないからだ。これは内閣参与などのブレーンが残念だ。もしここで菅を切る事になれば、冷静なブレーキを踏む人間はいなくなり、暴走する危険性が出てくる。
 私の考えがわけのわからない左翼と誤解されるのもたまったものではないので、以下に失言が肥大した実例をあげていく事にする。
 まず日経新聞からみてみる。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS19007_Z10C14A2EB1000/
 衛藤首相補佐官が「米に失望」投稿 靖国参拝反応巡り

    2014/2/19 11:19
衛藤晟一首相補佐官が安倍晋三首相の靖国神社参拝に「失望」を表明した米国への批判を動画サイト「ユーチューブ」に投稿していたことが19日、分かった。「むしろ我々が失望だ。米国はちゃんと中国にものが言えないようになっている。中国への言い訳として(失望と)言ったにすぎない」と指摘。「同盟関係の日本をなぜ大事にしないのか」と述べた。

 昨秋に訪米し、ラッセル国務次官補らに「首相はいずれ参拝する。ぜひ理解をお願いしたい」と伝えた経緯も紹介。中国に関しては「いくら(日本側が)抑制的に努力しても中国の膨張政策はやむことはない。これ以上、抑制的にやると日本にとってよくない」と強調した。

 菅義偉官房長官は19日午前の記者会見で衛藤氏の発言について「あくまで個人的見解だ。日本政府の見解ではない」と語った。その後、菅氏は衛藤氏に電話し、発言を慎重にするよう求めた。
個人的な見解といって内閣の一員がこの様な発言をすること自体が問題である。発言してはいけない問題のリストかマニュアルでも作った方がいいんじゃないか、余りにも幼稚すぎる。この様な発言が積み重なりイメージがつくられていくのだ。さらに追い討ちをかけるように発言が続く。TBSNEWSiでアメリカのメディアの状況が書いてある。
http://news.tbs.co.jp/20140220/newseye/tbs_newseye2131906.html
 米有力紙3紙、それぞれ「安倍政権の保守政策」記事掲載

 安倍政権の保守政策についてアメリカのメディアが相次いで取り上げています。「ニューヨークタイムズ」は、集団的自衛権の行使をめぐる憲法解釈の変更について批判する一方、「ウォールストリート・ジャーナル」は安倍総理の靖国神社参拝を擁護するインタビューを掲載しました。

 アメリカの有力紙、「ニューヨークタイムズ」は19日付の電子版に「戦争、平和、そして法律」というタイトルの社説を掲載しました。この中では、安倍総理が集団的自衛権を行使できるよう憲法解釈を変更しようとしているのは立憲主義に反していると批判し、総理大臣が個人的な意向で憲法解釈を変更しようとするなら、最高裁判所が拒絶するべきだと主張しています。

 一方、同じ日の「ウォールストリート・ジャーナル」は、本田悦朗内閣官房参与のインタビュー記事を掲載。神風特攻隊の自己犠牲を例に挙げ、安倍総理の靖国参拝は戦争で死んだ数百万の兵士たちを追悼するためだったという本田氏の説明を、論評を加えずに伝えています。

 さらに、中国の軍事力増大とアメリカのプレゼンスの低下に多くの日本人が懸念を深めているとして、安倍政権の防衛費増大の背景を説明しています。

 もう1つの有力紙「ワシントンポスト」は17日付の紙面で、「日本の挑発的な動き」という題で、安倍政権のナショナリスト的な政策がアジアの安全保障問題を深刻化しているとする社説を掲載しました。

 アメリカの有力紙3紙が安倍総理の保守政策に関する記事を相次いで掲載した背景には、日米関係の不協和音が相次ぐ中、タカ派で知られる安倍総理の今後の出方を読み切れないアメリカ側のいらだちを反映していると言えます。(20日14:17)
出方が読みきれないということは、ふらふらしているということだ。別に日本の国内で何か事件が起こったりとかしているわけではなくて、スポークスマンがわけのわからない事を抜かしているからだ。新聞がこういう報道に出ているだけで、日本政府とアメリカ政府に強いパイプがあればいいのであるが、そこが裏でちゃんと関係が機能しているのかと心配になってくる。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140220/k10015392491000.html
官房長官「本田氏は報道内容否定」
2月20日 15時10分

菅官房長官は午前の記者会見で、本田内閣官房参与がアベノミクスの目的はより強力な軍隊を持って中国に対じすることだと語ったとする記事をアメリカの新聞が掲載したことについて、本田氏は報じられた内容を否定しており、訂正を求めるのではないかという見通しを示しました。

アメリカの新聞・ウォールストリート・ジャーナルは、安倍総理大臣に経済政策を助言している本田内閣官房参与のインタービュー記事を掲載し、本田氏は、アベノミクスの目的について、『より強力な軍隊を持って中国に対じできるようにするためだと語った』と報じました。
これについて、菅官房長官は午前の記者会見で、「本田氏は、『記事を読んで驚いている。取材は受けたが、私の発言の趣旨を違えて報じられており、全く真意が伝わっていない。自分はアベノミクスが軍事目的であるかのごとき発言もしていない』ということだった」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は、「取材した記者に対して、まずは本田氏から訂正を求めるのではないか」と述べました。
一方、本田氏は、20日午前、総理大臣官邸で記者団に対し、「そういうことは全く言っていない。私が言ったのは東アジアの平和を維持するためにパワーバランスが重要だということで、発言の真意が伝わっていない」と述べました。
余計な事を喋らずに、問題を解決して行けば良いのに、問題の重要度をわかってやっているのかが疑問に思えてくる。重要度というか優先順位と言い換えればわかりやすいとは思う。自分たちがやっていることとやりたいことが噛み合ってない。
 やはり、この靖国神社参拝というものがはっきり言って邪魔だった。そもそも日本のために死んだ人がいて、その人たちにとっての未来の日本人がこういう問題で困った場合、参拝をして欲しいと思うのだろうか。
 靖国神社の問題として、 天皇が参拝していないわけであるが、それなら新たに追悼施設をつくればいいだけではないかな。そこに天皇が参拝して、靖国神社に参拝しなかったとなれば、A級戦犯の問題にしろはっきりするだろう。信教の自由がある中で他人の思想信条などどうでもいいが、この時代に宗教を信仰する事に私は理解が出来ないし、国益を優先して欲しい。
 第二次世界大戦において、問題となった一つが南進政策である。戦線をむやみやたらに拡大して、戦うべき相手を見失ってしまった。全方位に戦いを挑む意味があるのだろうか、いやなかった。それ以前に国内は首相暗殺のテロが続き内政は不安定。そもそもアメリカと戦争をする意味が全くなかった。敵を間違うとろくなことにならないなと思う。
 人権問題で現在の中国は問題があるが、日本はない。有利な状況なのに昔も今も日本は内部で足を引っ張り合う。いつまでたってもこの国は成長していないなとつくづく思うものである。戦争で死んだ人は泣いてるね。
 やはり、安倍のブレーンの偏りが問題になってくるのだろうか。前回の第一次安倍政権は、閣僚の失言やスキャンダルなど問題が次々と起こった。今回も足を引っ張られているなと思う。前回の教訓を活かして次に繋げる事が出来るのだろうか。
 要するに、アメリカとの関係は大事ということ。

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